過去10年間の治療実績を以下に示します。

総数     670例

  • 痔核 283例
  • 痔瘻 188例
  • 裂肛、狭窄 47例
  • 直腸脱 89例
  • その他 63例(うち腫瘍性 24例)

痔核手術

 一般に一人の手術においても複数の痔核を処置することが多く、それぞれの痔核に対して患者背景(年齢、主訴、仕事、入院期間、リスクなど)や全体のバランスを考慮しながら病変に対して結紮切除、結紮切除+ALTA注(ジオン注射®)、結紮切除+輪ゴム結紮、ALTA注(ジオン注射®)のみを術式選択しています。

裂肛および肛門狭窄手術

 軽度から中等度の狭窄は側方括約筋切開+デブリードメントを行い、高度の狭窄に対してはSSG(Sliding Skin Graft)法を施行しています。

痔瘻

 原発巣の位置、瘻管の走行、炎症の時期、程度で様々ですが、可及的に機能を温存し、開放術、瘻管切除、シートン法を使い分けています。肛門括約筋機能が低下した場合は、肛門内圧検査を行い、低下例では骨盤底筋訓練やバイオフィードバック療法を行っています。

直腸脱手術

 直腸脱に対しては大まかに脱出長5㎝で分けて、5㎝以下であれば基本的に経会陰アプローチで行い、主にGant-三輪+Thiersch法を選択していますが、一部では脱出長が1~2㎝であればPPH法やALTA注(ハイリスク例に限り)を選択することがあります。脱出長が5㎝以上であれば積極的に経腹的アプローチである腹腔鏡下直腸つり上げ固定術を行いますが、ハイリスク例ではやむを得ずAltemeier法を選択することがあります。術式選択の年次推移を以下に示します。

その他の手術

 フルニエ症候群 10例、膿皮症 7例、直腸瘤(直腸膣壁弛緩症) 6例、尖圭コンジローマ 4例、仙骨周囲のう胞 3例、毛巣洞 2例、粉瘤 2例、毛嚢炎 2例、異物 2例、テープ感染 1例、尿道―直腸ろう 1例、会陰膿瘍 1例

腫瘍性疾患

良性 9例

局所切除(経肛門切除含む) 8例    TEM 1例

悪性 15例

肛門管癌 6例、Paget 4例、GIST 3例、外陰癌 2例