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当院で得意とする専門分野をご紹介します。
患者様により専門的で高度な医療を受けて頂くために、当院の医師内のミーティングは元より必要に応じて県内外の大学病院や医療機関の医師にもネットワークを拡げて、手術、検査、診断、読影や相談なども惜しまず手を尽くしています。

消化管内視鏡検査

内視鏡検査とは、先端にレンズを内蔵した太さ1cm程度の細長い管を使った検査です。

『胃カメラ』と呼ばれる上部消化管内視鏡検査は、口から内視鏡を挿入し食道・胃・十二指腸の観察を行います。鼻から挿入する経鼻内視鏡もご用意しておりますので、ご希望の方はご相談ください。当日の朝は絶食で来ていただきます。眠くなる薬を注射して検査を行うこともできます。

『大腸カメラ』と呼ばれる下部消化管内視鏡検査は、肛門から内視鏡を挿入して大腸の観察を行います。前日から便が出やすくなる薬を内服していただき、検査当日は大腸内を空にするための薬を内服していただきます。大腸ポリープなどを摘除することもあり、その際は入院加療が必要となる場合がございます。

胃癌や大腸癌などの早期発見にもつながる検査です。当院では消化器内視鏡専門医が中心に行っております。また平日に検査が困難な方は、月に2回不定期の土曜日に福山医療センターの内視鏡専門医による検査もあります。予約が混み合いますので、ご希望の日にちのある方は早めにご相談ください。

腹腔鏡手術

腹腔鏡手術とは、腹部に5~10mm程度の小さな穴を数箇所開けて、そこから腹腔鏡や専門の手術器具を挿入し、モニターに映し出される腹部内の画像を見ながら手術をする方法です。
当院では現在のように普及する以前よりいち早く立ち上げ数多くの優秀な医師の執刀医の下行っています。
開腹手術に比べ、胆のう・胃・大腸の疾患に対し身体への負担が少なく、美容面だけでなく疼痛が少なく早期社会復帰が期待できます。

ソケイ(鼠径)ヘルニアと虫垂炎の手術について

開設当初から永きにわたり当院が力を注いでいる分野の一つです。初代院長 故磯田義明に「盲腸を切ってもらった」という話を今でもよく聞きます。4、50年くらい前の話ではありますが、その間に診断方法も治療方法も手術技術も進化しました。
昔も今も、ヘルニアも虫垂炎も珍しい病気ではなく外科医はよく遭遇する病気です。特にヘルニアは、加齢によるばかりか、生活習慣の変化や肥満などにより年々増加傾向にあります。

ただ、ちょっとお腹が痛むだけだとか、ちょっと気になるだけだと受診を怠った為に、悪化して大変厄介な治療になることがあるのです。我慢しないで早目に受診されることが肝要です。何故なら最近ではこのよくあるヘルニアや虫垂炎は、腹腔鏡下による手術が可能になり、元の生活への復帰も早くなりました。
当院では、重症とされる疾病だけでなく、ヘルニアや虫垂炎のような一見軽んじられるような疾病も見逃すことなくスポット当てて、早目に治療することで、患者様のより快適な健康生活を支援していきます。

そけい(鼠径)ヘルニア(=脱腸)とはヘルニア専門ページへ

《どんな病気》

ソケイヘルニアとは足の付け根である鼠径部にできるヘルニアのことで鼠径ヘルニア、鼡径ヘルニアと表記されることもあります。ヘルニアと聞くと腰のヘルニアを想像するかもしれませんが、ここで言うヘルニアとは、【脱腸】のことです。そけい部とは、足の付け根の部分を言います。

《症状》

立ったりせき込んだりまた重いものを持ち上げた時に、ソケイ部に柔らかいこぶ状のはれが出来たり、不快感や痛みを感じたりします。通常、指で押さえると引っ込みますが、このはれが硬くなったり、指で押さえても引っ込まなくなることがあり、更にはお腹が痛くなったり吐き気を伴うこともあります。このような症状がある時にはヘルニアの【嵌頓】かんとんの場合があります。嵌頓下状態を放っておくと腸閉塞や腸管壊死を来し、命にかかわることもあります。

日本では毎年50万人くらいヘルニアで悩む方がいると言われています。手術は年間約15万人に行われています。我慢したりとか、恥ずかしいからとか、受診を渋っている潜在的な方も多いと推定されています。
以上の内容に該当する方がおられましたら、是非一度ご相談下さい。

《治療法》

治療方法は、主に手術です。根治治療は手術しかないとも言えますが、手術時間も短く、術後も早く元の生活に戻れますので、とにかく早目に受診されることをお勧めします。

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虫垂炎とは

《どんな病気》

虫垂は長さ6~8cmで盲腸(右下腹部の小腸から大腸につながった下の部分)の先にぶら下がるような形で存在します。
虫垂炎はむしろ「盲腸」とか「盲腸炎」とかいう呼び方で知られています。これは昔、発見や治療が遅れ、炎症が盲腸まで拡大してしまった状態で見つかることが多かった為と言われています。
急な腹痛で病院へ行って、外科的な治療を必要とするものの中でも、最も頻度の高い病気です。15人に1人が一生に一度罹る病気と言われるほどです。
虫垂炎を治療しないで放置しておくと、多くの場合虫垂は、破裂し腹膜炎をおこし、命取りになることもありますので、自己判断で我慢せずに早目の受診が肝心です。

《症状》

腹痛、食欲不振、発熱、吐き気、嘔吐などの症状があります。
初期症状としては、お腹全体やみぞおち部分、或いは背中・腰部分の痛みを訴える人もあります。しかし、時間の経過とともに次第に右下腹部辺りに痛みが集中することが知られています。吐き気や発熱を伴うのが一般的ですが、必ず同じ症状ということではないので、外科医での受診が大切です。

《原因と予防》

虫垂炎の原因はまだはっきりとした説はありませんが、糞便や異物、リンパ組織の過形成、まれには腫瘍などで虫垂の入り口がふさがったり、狭くなることがきっかけになるのではないかと言われています。これにより、虫垂の内圧が上昇して血行が悪くなり、そこに細菌が侵入して感染を起こし、急性の炎症がおこると考えられています。またストレスや生活習慣の乱れなども原因の一つとして上げられます。

《治療法》

虫垂炎は進行の程度によって、下記のように分類され治療の緊急性も異なります。

  1. カタル性虫垂炎
    初期段階で軽度の炎症が見られます。手術による治療を行うこともありますが、医師の観察の下、抗生物質による薬物治療も可能です。
  2. 蜂窩式炎性(ほうかしきえんせい)虫垂炎
    カタル性虫垂炎よりも進行した状態で、虫垂内部に膿たたまる、虫垂表面に膿があるなどの症状がみられます。手術による虫垂の切除が必要となります。
  3. 壊疽性(えそせい)虫垂炎
    虫垂組織の壊死により虫垂の壁が腐り、破裂した状態です。腹膜炎を併発する可能性がるため、早急に手術の必要があります。
  4. 汎発性腹膜炎(はんぱつせいふくまくえん)
    虫垂の壁が破壊されたことによって、膿が下腹部まで広がり、腹部全体に炎症が起こった状態です。最悪の場合は手遅れとなり命に関わることもあります。

虫垂炎は適切な治療さえすれば予後の良い病気ですが、殆どの場合、自然治癒は期待できません。一見治ったようでも癒着や、再発の可能性も高くなり、それだけ重症化します。早い段階での受診と治療に勝るものはありません。

肝臓疾患(肝疾患)

健康診断で脂肪肝と言われたことがありませんか?
脂肪肝とは肝臓内の細胞に脂肪が多くたまった状態のことをいいます。
アルコール性脂肪肝は耳にすることがあると思われますが、アルコールを飲まない人や痩せている人も脂肪肝になります。非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)といいます。非アルコール性脂肪肝疾患の多くは肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧をともなっています。食べ過ぎや運動不足、閉経などによる女性ホルモンの減少などが原因で脂肪が肝臓に蓄積されていきます。また極端なダイエットなどをおこなうことで、肝臓が飢餓に備えて栄養を蓄える低栄養性脂肪肝などもあります。
今までは非アルコール性脂肪肝疾患(MAFLD)は肝硬変や肝癌に進展しないと考えられてきましたが、10~20%の人は炎症や線維化を伴う非アルコール性肝炎(NASH)に進行することがあることが明らかになりました。
予防・早期発見するためには肝臓の線維化の程度を評価する必要があります。
日本肝臓学会は肝線維化の進行を血液検査と年齢評価することができる「FIB-4 index(フィブフォーインデックス)」を推奨しています。
血液検査のAST・ALT・血小板数・年齢から評価することが可能であり、当院でも検査をすることができます。
治療としては食事療法や運動療法などの生活習慣の改善、糖尿病や高血圧の治療などがあります。肝硬変や肝癌になるまで、自覚症状はでにくいとされています。
症状が出る前に肝臓専門医と脂肪肝の治療をしていきませんか?
当院では血液検査のほかに、腹部超音波検査、上部消化管内視鏡検査、CTなども行うことができます。お気軽にご相談ください。
肝臓専門医の藤田明子医師が担当します。

ペインクリニック

麻酔科医の岡田桂子医師が担当します。

ペインクリニックには、腰痛・肩こり・ぎっくり腰などさまざまな痛みの方が来院されます。
代表的な疾患は腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱菅狭窄症・脊椎分離すべり症・坐骨神経痛・肩こり・五十肩などで、すでに診断されている方もいます。

はじめての方は、腰下肢の問診票か頸肩腕の問診票を書いていただき、診断と平行して、あなたに合った治療を開始していきます。当院ではこれをペインクリニシャン・整形外科医はもちろん外科・内科医が協力しておこないます。また理学療法士と共に温熱療法・牽引治療なども併用するとさらに効果的です。

〈治 療〉

  • 硬膜外ブロック
  • 坐骨神経ブロック
  • 肩甲上神経ブロック
  • トリガーポイントブロック

専門の医師がおこないますので、単に痛み止めをうつだけでなく、痛みによって二次的におこっている神経の異常興奮を抑え、血行を促進し、代謝を改善させる作用があり、治療効果が高いとされています。

理学療法(温熱療法や低周波治療)・リハビリも併用するとさらに効果的です。

〈例:腰椎椎間板ヘルニア〉

重い荷物を持ったとたんお尻から足にかけて痛みが走ったとか、前から腰痛はあったが、落ちたものを拾おうとしただけで足がしびれるようになったなどはヘルニアに特徴的な坐骨神経痛や神経根症状です。
これらの多くは手術以外の治療で治りますので、坐骨神経ブロックや硬膜外ブロックおよび消炎鎮痛薬・コルセットなどで治療し、あわせてリハビリをおこなっていきます。ただし、中には手術が必要なものもありますので、自己判断せず、ご相談下さい。

〈例:肩こり〉

いわゆる肩こりですが、慢性的になると痛みが筋肉を収縮し血行が悪くなり、神経が過敏になってしまったものは湿布やマッサージではなかなか治りません。ストレスや生活習慣などの原因を取り除けばいいのですが、頑固な肩こりはきちんと治療して一度リセットしてあげなくてはいけません。薬物療法または漢方やトリガーポイントブロックをおこないます。温熱療法も有効です。

(1) 肩の上げ下げ

30回
(2) 頚のストレッチ

息を止めずに
左右10回
(3) 肩のストレッチ

肘だけ回らないように
ぐっと胸を開く 10回

漢方外来

幅広い疾患に対する漢方治療に取り組んでいます。希望される患者様に、保険診療の範囲での漢方薬のオーダーメイド処方を行っています。
状態に合わせて西洋薬との併用も行います。また、病状によって針治療を併用することもあります。
(頭針(YNSA)、耳鍼、体針(薫氏奇欠))
平岡尚子医師が担当します。 漢方外来をご希望の方は、事前に問診表に記入して受診して頂きます。
漢方問診票(PDF)

肛門疾患(肛門外科)

肛門には3大肛門疾患(痔核、裂肛、痔瘻)にも様々な疾患が生じます・また、同じ疾患でも一人ひとり異なっており、基礎疾患、症状の程度、社会的背景、入院期間等を考慮して治療法を選択していく必要があり、経験と患者の立場に立った診療が必要とされます。

当院は、日本大腸肛門病学会認定施設、大腸肛門機能性疾患に関する受け入れ可能な施設として認定されており、臨床肛門病技能指導医を含む多くの専門医、指導医資格を有する岩川和秀診療部長を中心に、大腸肛門病専門医である磯田健太院長、谷口 寛外科医長と標準的な肛門治療から特殊な疾患、難治性疾患、悪性疾患に至るまで質の高い診療を行っています。

大便やおしり周りで気になることがありましたら、お気軽にご相談下さい。

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甲状腺疾患

意外に頻度の高い疾患です。自分では気づきにくい疾患ですが、血液検査或いはエコー検査などで比較的容易に診断がつきます。定期検査などで見つかることもよくあります。
甲状腺は首の前部、のどぼとけのすぐ下にあり、重さが16〜20g、大きさが縦4.5cm、横4cmの臓器です。 正面から見ると蝶の形に似ています。
甲状腺ホルモン(T3、T4)という体に必要不可欠なホルモンをつくっています。このホルモンは脳下垂体の甲状腺刺激ホルモン(TSH)によって調節されています。甲状腺ホルモンはさまざまな作用を持っていますが、簡単に言えば全身の代謝を高めるホルモンで、過剰になると脈が速くなり、体温も上昇し、汗をかくようになります。反対にホルモンが不足すると、脈が遅くなり、体温は低下し、活気がなくなってしまいます。

のどの辺りに腫れなど気になることがありましたら、お気軽にご相談下さい。
神戸の隈病院や専門医の下で研修を重ねた外科専門医の谷口医師が担当します

整形外科手術

整形外科分野において大腿骨頚部骨折には特に実績があります。
術後のリハビリテーションついても入院中は元より退院後も切れ目ないサービスの提供に努めておりますので、安心して頂けます。なんでもご相談下さい。